日本語ラップの草分け、スチャダラパー

ヒップホップといわれるジャンルのなかでも、あえて日本語でラップをうたうグループの草分けといえばスチャダラパーです。メンバーは、ＭＣを務めるＢＯＳＥ（ボーズ）とＡＮＩ（アニ）、ＤＪのＳＨＩＮＣＯ（シンコ）の三人で、初期メンバーは４人でしたが、現在は３人でのユニットです。アニとシンコは実の兄弟で、ボーズとアニがもともと知り合いだったことから発足したグループです。彼らが一躍有名になったのは、なんといっても小沢健二との合作「今夜はブギーバック」にスマッシュヒットによるもので、1990年代の渋谷系音楽ブームの最先端にいたフリッパーズギターを解散後、ソロに転向した小沢健二との共演で、それまでのファン層をさらに拡大する事になります。2005年にはこれも日本有数の人気テクノバンド、電気グルーヴとの合作アルバムを出し、お互いのライブにもサプライズ出演するなど中の良さを見せています。また、フジロックなどの夏のフェスはもちろん、日比谷公園などでも自ら主宰のフェスも開催し、若手発掘の能力に長けています。魅力の一つに、ライブの合間に入るＭＣの面白さがあげられ、基本的にはボーズが仕切りますが、アニののんびりとしたしゃべりも魅力で、その達者さから、彼らを知らない人からはお笑い芸人に見えるとさえ言われますが、ライブでのパフォーマンスは圧巻で、20年近くのさすがのキャリアを感じさせてくれます。